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リスキリングの即効性はある?12年後の答え合わせ

転職して1年が経ちました

マイクロソフトに入社して1年3ヶ月、社内転職して半年が経ちました。(写真は本文と関係ありませんがメジロの写真です)

フルタイムで働きつつ、子ども3人を育てながら担当エリアについて短時間でインプットする必要があって、とても忙しなく過ごしていましたが充実した日々だったと思います。

入社して1年間で認定資格を8つ取得しました。1年前に取得したAZ-104も既に更新しました(有効期限が1年間のため) 。担当エリアが広いので、もっと学ぶべき領域があるのでこれからも学び続けます。

入社した時点ではグローバルチームでしたが、昨年の9月に日本のチームに社内転職してから、大きな変化がありました。
部署間のコラボレーションがより活発になって、以前よりも社内で業務に関わり合う人がぐんと増えました。 補足すると、チームの良し悪しを語っている訳ではなくて、これは適材適所なんだと思います。自身の活動の場所が広がることで、周囲の期待値も高まるので自分自身も成長し続けないとな…と日々思いながら行動しています。

近況

主な業務とは別に、イベント出展にも挑戦しました。直近だと、HPC・AI・量子コンピューティングをテーマにしたイベントに出展する予定です。

supercomputingnow2022.emi.vc

日頃の業務では考えられないのですが、ポスター展示や展示会用のチラシもメンバーで構成を考えて入稿まで行いました。どの分野も専門性が高くて、自分だけでは達成できなかったです。特定領域の技術者と一緒に仕事することで新しい学びを得て、日々刺激を受けています。

余談ですが、入稿期限ギリギリに入稿を終わらせた数時間後に新しいバージョンがリリースされて、時代の速さに最近は毎日驚いてばかりです。特にこの1週間は、これまで生きてきた社会人生活の中でも変革を強く感じました。

その他、業務を通してディスカッションも活発的に行うことで、最近は有志でユーザー会も立ち上げました。それに賛同してくださる方々が協力してくださり、更に情熱を感じるようになりました。

micug.jp

リスキリングから12年経ちました

リスキリングを始めてから12年になります。この際だから、干支一周した自分の経験を赤裸々に語ろうと思います。

「リスキリングした結果、今はマイクロソフトで働いています」と答えると、それまでの経緯はどうだったのか質問を頂くことがあります。
また、別の質問で「資格を短期間で取ったり、イベントに出展したり、ユーザー会を立ち上げたり、プリセールスの仕事をやりながら普通できるものなの?」とよく訊かれます。

これはリスキリングの積み重ねがようやく実ったのだと認識しています。
子育てしながら短期間で効率よく学習するスキルとイベント開催スキルは、これまでの12年で経験済みですから、何をやるべきか経験上分かるのでサクッと行動できます。

下記リンク先は6年ほど前に寄稿した内容になりますが、実は1人目を産んだ時は育休明けに戻れる現場が無いことが確定していたので、エンジニア人生を諦めたくなくて、育休中なのに必死に活動していた背景がありました。

www.e-aidem.com

シンプルに振り返ると「育休明けに戻る場所が保証されておらず、人生崖っぷちになって育休中にリスキリングするしか選択肢がなかった」表現が正しいです。

当時、リスキリングというワードがなくて「チャレンジ」と表現していますが、サーバーエンジニアからクラウドエンジニアへキャリアチェンジすることを決意した瞬間から、自分自身のリスキリングは始まっていました。それが12年前でした。

1人目の育休中にLinuxエンジニア向けのイベントを主催したり、Linux向けの資格を取得したり、日経Linuxに寄稿したり、色々なチャレンジを続けました。
1歩1歩の行動は、とても小さいアクションだったかもしれません。でも、それをコツコツ継続することで、自分の経験になりました。
リスキリングは新しい領域でのチャレンジで、最初は完璧にできずに失敗することもありましたが、自分の行動を振り返って改善していくことで、また新たな自身の経験へと繋がりました。

でも、世の中でいう育休中の学び直し「リスキリング」について、賛否両論ありますね。目の前で小さな赤子をあやしながら勉強するのは正直言ってきついし、場合によっては集中できないので、一時保育の拡充など学ぶ環境を作ってもらえる支援があればいいのになって思います。

寄り道のキャリアがリスキリングだったかもしれない

基本的には自分の担当している仕事を責任持って遂行する能力があるのは大前提であるとして、私がリスキリングで得られた能力については、これまで正規ルートから外れたレールの無い「寄り道キャリア」だと思っていた部分だと感じます。

  • 職種の担当領域を遂行する能力
  • 他者とコラボレーションする能力
  • 短時間で効率よく学び続け、継続する力
  • イベント主催のための行動力や情熱
  • 執筆や入稿の経験

リスキリングした分だけ収入は上がるのか?

ただし、取り組んだことが、自分の能力や収入にすぐに反映することは、置かれている状況によるのかもしれません。私はマイクロソフトに転職するまで、ぶっちゃけ本業の収入は横ばい or スーパー緩やかに上昇でしたから、育児でキャリアを寄り道したことで、思った以上に苦戦した結果になっていました。
「旦那さんが稼いでるからいいんでしょ?」と素で言ってくる人に正直イラッとしていた事もありました。報われない年月が長かったです。
だから「リスキリングする」と形だけやって、その後正しく評価される社会構造になっていくのか疑問です。

その結果、子どもが3人居る関係でどんなに頑張っても評価されなかったり、年収交渉で不利だったり・・・表情には出せないもどかしさを抱えていました。だから、どんなにリスキリングを頑張っても、自分の期待通りに評価される場所に身を置かない限りは難しいと思いました。もちろん給与レンジもありますが、同じ仕事をしているのに不当に年収が低かったり、評価が正しく給与に反映されない事については、その環境が合わない可能性もあるかと思います。だから、ただ嘆いてばかりではなくて、自分がどう生きていきたいのかも含めて、自分事として納得した上で、きちんと意識する必要があったなと、過去の自分を振り返って感じました。

そう、それが自分の人生だから、生きたいように生きれば良いんですよね。そのやりたい事と、身を置く場所の期待値や方向性が合っていれば、自分の力を十分に発揮できるのだと思います。

適切に評価される環境に身を置く

人には色々とタイプがあって、一つの事を深く極める職人タイプと、幅広く経験して活かすジェネラリストタイプがあると思うのですが、私は完全に後者です。
ただ、注意が必要で一見ただの器用貧乏と思われがちで、会社によっては足元を見て年収を下げて提示する場合があります。過去に、それが原因でお断りしたこともあります。

外資のプリセールスに転職してから評価基準が明確な数字になったことで結果が可視化され、かえって仕事しやすくなりました。
やることをちゃんとやれば、正しく評価される。社内には学閥もなく、自分の性別で年収の差別もされず、自身の最終学歴や生まれ育った環境など訊かれることもなく、やってきた成果や取り組んだ結果が評価されます。

心地良く仕事ができている事も、とても良い環境だと思います。正しく評価され、仕事に見合った収入を得られることで、自己肯定感を無駄に低下させ、精神的に疲弊することもなくなりました。

リスキリング後の適性の見極めと、助け合いで広がる未来

もちろん、専門領域で専門性を持ってその道を究めているメンバーの働き方にも憧れていて、とても格好良くて素敵だなと毎日尊敬していますし、特に特定領域の仕事が多いので、Specialityのあるメンバーには感謝の気持ちでいっぱいです。ただ個人的には、特定分野にかけた時間=深く専門性を持つアーキテクトやエンジニアになって、仕事に貢献したい気持ちも正直あります。
しかし冷静になって考えてみると、これまで生きてきて私は沢山の人と関わり合いながら仕事をするのが性に合っているようなので、自分の適性や得意分野を把握して、得意なことを伸ばしていこうと思いました。
これまでを振り返る時間を作り、自身の適性を冷静に自己分析することも大事だと思いました。
自分の領域外で、かつ自分だけで達成できないことは、それを専門としている人に任せることも大事だと思いました。三人寄れば文殊の知恵で、適材適所で助け合いながら進めていけば、素晴らしい成果が出せると信じています。

私のチャレンジはこれからも続きます。