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LPIC304に合格。産休・育休中のスキルアップについて

LPIC 304に合格して

本日、LPI-304 Virtualization & High Availability(LPIC-304)に合格しました。

2015年5月22日追記:LPIC304試験がバージョンアップされていて、以下の試験範囲は変更となっていますのでご注意下さい。外部参考ページ(英語)

「資格を取得する経緯や目的」についてこのBlogに記録しておこうと思います。なお、資格を取得することが目的ではなくて、「体系的に理解していることを証明する成果物として資格を取得する」ことにしているので、この記事はLPIC-304を攻略したい人にとっては、有益な情報では無いかもしれません。

産休・育休中の資格取得のメリット

「出産」「育児」というライフイベントの中で資格を取得するメリットは、以下のような点が挙げられます。

メリット

  • 一時的に職場を離れていても、技術・知識の習得ができる
  • 産休・育休中に学んだことの成果物になる
  • 復帰に向けての意思表示になる
  • 時間の使い方を工夫できるようになる
  • 柔軟な考え方ができるようになる

デメリット

  • 出産前は自分の体調、出産後は子どもの体調優先になるので、計画通りにはいかない→うまくいかずにイライラする

デメリットの「イライラする」は一時的なもので、長期的にみるととても良い経験になります。詳しくは後述します。

思った以上に、大変なこと

資格を取得する上で、予測できなかったこと・大変だったことが妊娠中と出産後、それぞれにありました。

【妊娠中】産休中の体調変化は予測できない

実は産休に入る少し前に試験の予約をしていました。

しかし、切迫早産になり自宅で絶対安静。臨月に入って安定はしたものの、いつ産まれるか分からないので、受験は出産してからにしよう!と予定を変更しました。自分が切迫早産だなんて、予測できませんでした。

妊娠中に体調が安定しているかどうかは、そのタイミングにならないと分からないのです。

【出産後】子育ての大変さを知る

そして出産後、試験へ行く時間はおろか、自分の時間もなかなか作れません。時間が作れたとしても、体力的に疲れきっていて試験の予約どころではありませんでした。子どもの都合にすべて合わせながら、自分の時間を作っていくための工夫が必要になるのです。

最初、試験の予約を取ったら子どもが高熱を出してキャンセルしました…。さすがに、39.4度の熱を出した子どもは病状によっては危険な状況です。夫の海外出張も重なっていて、万が一何かあったことを考えて熊本の実家から母に予めヘルプに来てもらっていましたが、このような状況になってしまうと、自分でタクシーを呼んで何とかするしかありませんでした。

柔軟な対応ができるようになる

産休・育休中は上記で挙げたような事象が発生するため、大変ではあるものの、何事にも柔軟な対応・考え方へシフトしていくようになりました。

もちろん、独り身だったら何事もなく目標を達成できたと思います。出産・子育てがあったからこそ、諦めない心の強さと、「当初の計画を諦めずに、軌道修正しながら目標を達成する」考え方の柔軟さが出てきたのだろうと思います。

うまくいかずにイライラするかもしれないけど、子育てに慣れていく内に、「今日はうまくいかなくても、明日はきっとうまくいく」と焦らなくなりました。何かあったら「最優先すべきことは自分のことより我が子こと」と優先順位を考えて自分を納得させていました。

子育て中の方、ぜひスキルアップとして資格取得をチャレンジしてみてください。以下に、育休中のスキルアップのコツをまとめます。

育休中の資格取得・スキルアップのコツ 6つのポイント

自分自身の経験を元に、育休中のスキルアップのコツをまとめてみました。

(1)身体を動かして、子どもと思いっきり遊ぶ

子どもの成長にきちんと向き合うことで、結果として自分の時間を確保できるようになります。

例えば以前の日記「東京ドームシティ:アソボーノ!に行ってきた」のように、室内で子どもが遊べる施設に行ったとします。身体を動かして遊ぶと子どもはとても喜ぶし、親子のコミュニケーション向上にも繋がります。帰宅したら、子どもは遊び疲れて少し早く就寝するようになります。1時間程度早く就寝したら、その分、自分の時間に使うことができます。

外出を頻繁にするとたまに風邪をもらってきてしまいますが、それは仕方のないこと。母子ともに良い効果が出ます。たまに、遊びすぎてママ自身も疲れて寝ている時もありますが、それも良い気分転換と思っています(笑)

(2)勉強会に参加する

コミュニティの勉強会に参加し、現役でバリバリ頑張っているエンジニアの姿を見ることが大事だと思っています。どのような技術がトレンドなのか、IT業界がどのような傾向にあるのか、生で感じ取ることができます。

かえって焦ってしまうのでは?と思うかもしれませんが、子育てOnlyの世界よりも自分の世界が広がり、気分転換にもなります。

私の場合は勉強会を開催する立場でしたが、私と同じ境遇である育休中の女性エンジニアの方と知り合うことができてすごく励みになったし、参加者の皆さまがイキイキしている姿を見て、復帰後のイメージができて良い影響を受けています。

(3)時間を作る工夫をする

(1)で挙げたように、時間を作る工夫をします。例えば、私は時間が勿体無いから、テレビを観ないようにしています。自分にとって明らかに不要なことを、極力しないようにします。

「音楽を聴く」「数分間だけぼーっとする」など、じぶんにとってストレスを感じない・癒される行為については極力取り入れます。

(4)期限を決める

いつまでにこのスキルを身に付けるなど、期限をしっかり決めます。私の場合は、出産後のリスケの目標としては「子どもが1歳になる頃までには、LPIC304を取っておきたいな〜」とざっくり決めていました。そして試験2週間前に試験予約を入れ、あとは勉強して、試験会場に行くのみです!

ただ一つ注意点。子どもが体調を崩してやむを得ずキャンセルする可能性もあるのです。それを考慮して、キャンセルしやすいような曜日を指定します。(理由はもちろん、突然のキャンセルは試験料が返金されないから…!!)LPICの場合、ピアソンVUEのコールセンターへ電話する必要があります。営業日が平日のみなので、休日明けの月曜日に試験日を設定しないようにします。詳しくはピアソンVUEコールセンターまでご確認を。

(5)毎日Linuxと触れ合う環境にする

ご存知の通り、私はいつもFedoraを使っています。仮想マシンではなくて、ノートPCに直接FedoraをインストールしてメインPCとしてFedoraを使っているのです。なので、LPIC304について分からないことがあったら自分のPCで直接確認することができるようになっています。

毎日当たり前のようにLinuxを使う環境に慣れていたら、復帰後とてもスムーズに仕事ができると思います。

(6)パートナーに理解してもらい、育児の協力をしてもらう

パートナーには、「何故スキルアップしたいのか」「復帰後、どのような働き方をしたいのか」「そのためにどの程度パートナーに協力してもらう必要があるのか」等をきちんと話し合っておきます。

スキルアップは自分のためでもあると同時に家族のためでもある…と感じています。自分がイキイキと仕事をすることによって自分らしく生きていけるなら、家族も幸せになるのではと思います。

これにより、スキルアップを応援してくれる家族がいるからもっと頑張れるようになります。

参考書籍・参考サイト

最後に参考になった書籍・サイトを紹介します。

書籍に関しては「プロのための Linuxシステム・10年効く技術」「Xen徹底入門 第2版」「KVM徹底入門」は読んでいてとても為になりました。

Xen・仮想化について

KVM

Pacemaker / Heartbeat

Pacemakerを体系的に理解でき、なおかつ実践することを想定している秀逸な記事。

DRBD

RHCS (High Availability Add-On)

※製品名称が「Red Hat Cluster Suite」(RHCS)から「Red Hat Enterprise Linux High Availability Add-On」(RHEL HA アドオン)に変更となっています。試験ではRHCSと表記されています。

参考になるのは書籍「プロのための Linuxシステム・10年効く技術」の第2章3節ですが、公開されているスライドの「High Availability Add-On 設計・運用入門」の「4. High Availability Add-On の概要とアーキテクチャ」も必見です。とてもよく纏まっています。

OCFS2

などなど。参考にしてみて下さい。

まとめ

一生のうちで、出産・育児はほんの短い時間です。自分のキャリアを長い目で見て「子どもも居るんだし、○○はもう出来ない・無理」と考えるのではなく、育児を通して自分の新しい可能性を発見して、チャレンジしていく姿勢を忘れずにしていきたいですね。

もしこの記事が参考になったらGoogleプラスやFacebookで「イイね!」押してもらえると喜びます。(´∀`*)ウフフ

スルー推奨のどうでもいい余談

数年前の話に遡ります。LPIC304の日本語版リリースが告知されてから、近い内に受験しようと計画していました。

スキルアップすることが第一の目的でしたが、歳を取っても都会で一人で生きていくために必要なことは「手に職」だと当時は考えていました。また、これからもエンジニアとして食べていけるか、とても不安になった年頃でした(当時26歳〜27歳ということを考えると、自然なことかもしれません)。そのためLPIC304の取得はキャリアパスの一つとして考えていたのです。

まずは最初の下調べとして試験範囲を確認し、最初に書籍「KVM徹底入門」を購入しました。読んでいて疑問に思った点を著者に直接質問したら、それがきっかけで意気投合。結果としてその著者…夫と結婚し、出産しました。

このような運命的な出会いを経て、ライフイベントが重なりました。まるで、ドラクエ5みたいな「冒険中に結婚」のような状況です。話題は逸れますが、何故一人で生きていこうと決意したのかというと、元々 不妊症治療を行なっていたので、結婚なんて無理…ましてや子どもなんて…と完全に諦めていたから。夫との出会いや妊娠については、これはもう奇跡だと思っています。

多分「なんで旦那さんの書籍をオススメするの?」と疑問に思う人が居ると思うのでこんな経緯だったことを補足しておきます。おしまい。